基本は塗りつぶし

短期集中連載なのでサクサク行くよ!

今回は、多分 Substance Painter の最も基本的な使い方である塗りつぶしレイヤーについて紹介します。

前回はブラシを使って塗る方法を解説しましたが、これを使ってマテリアルを塗るのはあまりオススメできません。

実際にわかりやすいマテリアルを使って塗ってみましょう。"Bricks 005" がわかりやすいので、こいつを使います。

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"Bricks 005" は右上のようなマテリアルですが、普通に塗るとなにかおかしいですよね?

SPのブラシはスタンプのようなもので、スタンプを連続的に押していくことでブラシで塗っているような状態を作っています。

そのため、単色を塗るのであれば問題ないですが、模様があるものや高さマップのような物を塗るのには向いていません。

マテリアルを塗っていくと言うのはベースカラーの模様や高さマップ、それに基づくラフネスなども塗っていくわけですから、ブラシは用途として向いていないのです。

そこで登場するのが塗りつぶしレイヤーです。

塗りつぶしレイヤーは通常のレイヤーとは別のレイヤーで、単色、単一マテリアル、単一テクスチャなどで全体を塗りつぶすことが出来ます。

塗りつぶしレイヤーを作成するにはレイヤウィンドウの塗りつぶしマークをクリックします。

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塗りつぶしレイヤーはデフォルトでは各チャンネルに対して単一の値を出力するだけのマテリアルが設定されています。

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図にも書いてあるとおり、チャンネルはONになっているもののみ指定の値で塗りつぶします。

ただし、理由は不明ですが、高さだけはONでも下のレイヤーの影響を受けます。どうやら高さのみ加算されているようです。

塗りつぶしレイヤーにマテリアルを設定する場合、Shelfウィンドウの [Materials] タブでマテリアルを選択するか、Propertiesウィンドウの [Material mode] ボタンを押して選択します。

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特定のテクスチャを設定したい場合はShelfウィンドウの [テクスチャ] タブからテクスチャをPropertiesウィンドウの [Base Color] ボタンにドラッグ&ドロップするか、[Base Color] ボタンを押してテクスチャを選択してください。

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テクスチャを選択するとテクスチャサイズに関わらず1対1で貼付けされます。UV座標で言うとオフセットなしのスケール1.0で貼り付けられている状態になります。

例えばMMDのモデルなどを持ってきてもともと貼ってあったテクスチャをベースカラーに設定したい場合はこのテクスチャ設定を利用します。

中野シスターズ姉だとこんな感じですね。

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で、先の "Bricks 005" を塗りつぶしレイヤーで設定した場合はこんな感じになります。

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UVスケールは少々いじってますが、想定されているマテリアルのペイントはこんな感じになるべきでしょう。

これで万事解決、と言いたいところですが、1点だけ問題があります。

それは、このマテリアルがUV座標に対して貼付けされている、というところです。

UVがアトラスなどで適当に設定した場合、ワールド座標的には接している部分がUV座標的には離れてしまっている場合があります。

実際、このモデルがそういう作りをしているのですが、そのようなUV座標が離れている場所で以下のような問題が発生します。

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明らかに分断されているのがわかりますね。

これをある程度解決する方法として、塗りつぶしレイヤーにはマテリアルの投影方法が選択できるようになっています。

Propertiesウィンドウの [塗りつぶし] 項目に [Projection] というドロップダウンリストが存在します。

これはデフォルトでは [UV Projection] になっていますが、これを [Tri-planar projection] に変更しましょう。

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結果はこうなります。

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これでも不自然な部分はありますが、明らかな分断よりはマシでしょう。

マテリアルの種類によっても不自然さは違ってきます。

ただ、割り当てられているピクセル数の差が大きい場合は注意してください。その場合はどうしてもずれます。

SPでは基本を塗りつぶしにして、マスクを利用して様々なマテリアルをブレンドしていくのが鉄板じゃないかと思います。

マスク自体はブラシで塗ることもあると思いますが、マテリアル自体をブラシで塗るということはあまりないと思います。

特定形状のブラシを使ってスタンプ的に押していく、というのはありです。というか、ブラシの基本的な使い方はこれじゃないかと思っています。

というわけで、今回は塗りつぶしをやりましたが、次回はもう1つの重要な要素であるマスクをやる予定です。