今回はフィルタです。
その1なのでもう1回か2回くらい紹介します。
Substance Painterを便利に、かつ有効に使用するのには絶対必要な機能ですし、何より便利なので覚えておきましょう。
フィルタはレイヤー(ペイント、塗りつぶし両方)、もしくはマスクに対して設定することが出来ます。フォルダに対しては設定できません。
設定するには設定したいレイヤー、もしくはマスクに対して右クリックし、コンテキストメニューの下の方にある [Add ~] を選択します。
上図の赤枠内がフィルタ類です。
正確にはフィルタとジェネレータは別なんですかね?よくわからないので全部ひっくるめてフィルタと呼んでいます。
なお、一番下の [Add color selection] はマスク専用で、レイヤーには設定できません。
フィルタを追加されたレイヤー、もしくはマスクは下の部分がグレーではなくブラウンに変化します。
そして、そのレイヤー、もしくはマスクを選択している場合にどのフィルタが設定されているか表示されます。
選択してない状態では表示されません。
常に表示していると邪魔になるから、というよりはUI的に全部表示しづらいからそういう仕様になってるのかな?
では、ここから標準的なフィルタを紹介していきます。
まずは [Add fill] で追加できる塗りつぶしフィルタです。
これはその名の通り塗りつぶしを行うフィルタで、塗りつぶしレイヤーと基本的な使い方は変わりません。
レイヤー側は各チャンネルの塗りつぶしが可能ですが、マスクではグレースケールの設定のみです。
主な使い方としては、レイヤーの方は全体のメタリックやラフネス何かを単色で設定したい場合に便利です。
全体が金属なのでメタリックのみ1.0で統一したい、という場合によく使うのではないでしょうか。
マスクの方は単色塗りというよりAOマップや曲率マップでマスキングしたい場合に使われることでしょう。
例えば金属の傷を全体的に入れたいけど、曲率が高いところにより強く傷を入れたい、というような場合に便利でしょう。
気をつける必要があるのは塗りつぶしフィルタはペイントレイヤーより上に来るということです。
これはフィルタ全般に言えることですが、フィルタはレイヤー、及びマスクに対して処理されるため、場合によっては元々レイヤーやマスクに設定されていたものを覆い隠してしまうことがあります。
どの項目に対してフィルタを設定するのか、という点については十分注意して設定を行いましょう。
UI的に微妙にわかりにくい部分も多いです。
次に [Add paint] で追加できるペイントフィルタです。
こちらも塗りつぶしフィルタと同じようにペイントを行うフィルタです。
主な使用方法はやはり塗りつぶしレイヤーに対してちょっとだけペイントしたい、という場合でしょう。
なお、フィルタの処理順番ですが、こちらもレイヤーと同様に下から順に処理されます。
例えば塗りつぶしフィルタの上にペイントフィルタがある場合とその逆では結果が変わってきます。
これに気づかずに何故かフィルタが有効にならない…と悩んだことがあるので注意してください。
フィルタの上下を変更するには [Alt + ↑/↓] で上下移動が出来ます。
実はこの2つのフィルタは別にレイヤーでも実現可能だったりするので、マスクで使う以外ではあまり使い道がないのではないかと思っていたりするのですが、ここからはフィルタならではの機能です。
マスクで使用する [Add color selection] は主にIDマップから特定のカラーをピックアップし、その部分のみマスクを有効化します。
フィルタを選択した状態で [Properties] ウィンドウの [Pick color] ボタンを押すとIDマップがビューに表示されるのでそこから必要な色をピックアップしてください。
複数の色をピックアップすることも可能です。
IDマップ以外も使用できますが、普通はあまり使わないでしょう。
次は [Add levels] で追加できるレベルフィルタです。
こいつは SP を使いこなせるようになってくると使うことが多くなってくるのではないかと思います。
実際、スマートマテリアルでもかなりよく使われています。
前述のようにAOマップや曲率マップをマスクとして使用するのはかなり便利です。
これらはオブジェクトの影の部分を調べたり、角の部分を調べたりするのに有効です。
しかし、これらを塗りつぶしフィルタで設定するだけでは自分が望んだマスクにならないことのほうが多いと思います。
例えばAOの影の部分に何らかのペイントを行いたい、という場合、AOマップは影の部分が暗くなってしまうのでマスクされてしまうわけです。
そこで登場するのがレベルフィルタです。
レベルフィルタは画像処理ソフトのレベル調整と同じ機能を持っています。
入力と出力のヒストグラムを調整して全体を暗くしたり白黒の明暗をはっきりさせたりといったことが可能です。
AOマップの影の部分を使用したいのであれば出力を反転させればOKです。
このサンプル画像ではAOの影の部分だけ錆びているように見せています。
レベルフィルタは大変使い勝手のいいものですので、多分お世話になることが多くなると思います。
使い方を覚えてうまく活用してみてください。
というわけで今回は標準的なフィルタの紹介でした。
次回はまた別のフィルタを紹介します。