今回は、この機能を知った時に感動したSubstance Designer 5の機能を紹介しようと思います。
会社で唯一SDを使っているエフェクトアーティストが、思わず声が出たと言っていた機能です。
まずは前回のレンガ的な何かに色を付けていこうと思います。ベースカラーですね。
最初に出力ノードとしてベースカラーとラフネスを追加します。
ラフネスはとりあえず単色で、レンガっぽいかなという程度の値を均一カラーで入れておきます。
ベースカラーの出力ノード設定はこんな感じ。ラフネスも似たようなもん。
さて、では本題に移りましょう。
まずはレンガの色として単色を加えてみます。
レンガっぽい赤茶色を均一カラーで作成し、これと法線マップを生成した際に利用したハイトマップを乗算ブレンドします。
ノードはこんな感じ。
[Tile Generator] から [ブレンド] に入っているところで [GRD] というのがありますが、実はこれがグラデーションマップノード。
でもここではグレースケールをカラーにそのまま変換するためだけに使用しているので何も設定していません。
なお、この小さなノードは一部ノードに限りですが、[D] キーを押すと小さくなったり普通サイズになったりします。
なんか邪魔、と思ったらこうしてみると邪魔じゃない。
[ブレンド] ノードのパラメータはこんな感じ。
ブレンドモードを乗算に変更しているだけ。もちろん掛け算なので、溝部分が黒くなってその他の部分は均一カラーの色そのまま出ます。
で、結果はこれ。
マリオか!
これはこれでゲームによっては需要があるでしょうけど、こういうのを作りたいんじゃないんだよね。
というわけで、この均一カラーの部分をなんとかしたいと思います。
まずは [Fractal Sum 1] というノイズノードを検索して配置、次に [トランスフォーム 2D] ノードにこいつを繋いで、[トランスフォーム 2D] のパラメータで90°回転させます。
このボタンを1回押せば90°に回転します。
90ccw と書かれたボタンでも構いません。
次にノイズとトランスフォームの両方にそれぞれ別々の [グラデーションマップ] ノードを繋ぎます。
[グラデーションマップ] ノードはグレースケールの画像をルックアップテーブルを使用してカラー画像、もしくはグレースケール画像に変換する機能を持っています。
今回必要なのはカラー画像なのでデフォルトのままでOKです。
どちらでもいいので、[グラデーションマップ] ノードを選択し、パラメータにある [グラデーションエディタ] ボタンを押しましょう。
するとこんなウィンドウが立ち上がるはずです。
これがグラデーションエディタです。
Photoshopなどでも同じようなエディタはありますが、ほとんどは上のグラデーションバーにマーカーを置いて、そのマーカーの色を変更することになるかと思います。
しかし、面倒!圧倒的面倒!
1つや2つのマーカーで済めばいいですが、細かく調整したい場合はいくつも置かなきゃならない。面倒!
というわけで別の方法を紹介します。これが割と凄い。他のツールにもあるのかもしれませんが、私はこのツールで初めてこの機能にお目にかかりました。
まず、Googleの画像検索等でレンガの画像を探しましょう。それなりに色の違いが出てる奴がいいですね。
次に上に示した [グラデーションを選択] ボタンを押します。このボタンを押す前に画面内に検索した画像が見える状態を作っておいてください。
ボタンを押すとマウスカーソルが変更になるので、レンガ画像の明るいところを適当にクリックし、明るめのレンガを適当になぞってみましょう。
マウスをクリックしている間はなぞった部分を線が出てくるはずです。そしてマウスボタンを離すとあら不思議。
なぞった部分のグラデーションが自動的に設定される。なにこれ便利。
もう1つの方も同様にグラデーションを作成しましょう。こちらは暗めのレンガの方をメインになぞりましょう。
2つの明るめ、暗めのグラデーションマップが作成されましたね。
この2つをブレンドノードで適当にブレンドします。
ブレンドの際には [Clouds 2] のノイズをマスクとして、明るいほうが強めに出るようにしました。
最後にブレンドした結果を均一カラーの代わりにつなげてみましょう。
先ほどの単色の場合より現実味が出てきてると感じませんか?
もちろん、今のままではまだ不十分です。
ラフネスは定数ですし、小さな凹凸があってもおかしくないわけですが、とりあえずのベースカラーとしては及第点じゃないでしょうか。
というわけで、個人的には超便利なグラデーションマップ機能でした。
UE4にもこの機能欲しいんだけど…