つい先日のことですが、Electronic ArtsさんがDem Bonesというライブラリを公開しました。
GitHub上で、BSD 3-Clauseライセンスとなっています。
ヘッダオンリーライブラリで、依存しているのもEigenとOpenMPくらいらしいので、自前ライブラリに組み込んだりDCCツールのプラグインを作ったりしやすいと思います。
GitHub上ではコードの他にサンプル的なコマンドラインツールも付属しているので、とりあえず試してみるということが簡単にできます。
というわけで、Blenderでブレンドシェイプとそれを使ったアニメーションを作り、これをDem Bonesで変換するという一連の流れを試してみました。
Blenderでベースメッシュを作成する
まずはBlender上でベースメッシュを作成します。
といっても普通にメッシュを作るだけですが、その段階でブレンドシェイプも仕込んじゃいましょう。
とりあえずはスザンヌさんにご登場願い、これをベースメッシュとします。
そして、ブレンドシェイプを適当に追加。
追加したシェイプキーを選択した状態でEdit Modeで頂点を編集すればブレンドシェイプを作成できます。
編集後、Object ModeでValueの値をいじってみてブレンドシェイプが有効になっているかどうかチェックしましょう。
ここまでのデータをFBXで出力します。
ここで出力したFBXのベース形状がボーンを埋め込んだスキニングメッシュのベースポーズとなります。
出力時の注意ですが、FBX Export設定のScaleを0.01にしておきます。
BlenderでのFBX出力サイズとAlembic出力サイズがどうも異なっている (というか、Dem BonesがFBXの単位を考慮してない?) ようなので、これをやっておかないとDem Bonesで変換したFBXのモーションがおかしくなります。
ブレンドシェイプアニメーションを作ってAlembicを書き出す
次にブレンドシェイプを使ってアニメーションを作成します。
特に難しいことはなく、時間変化に合わせてシェイプキーのValueにキーを打つだけです。
満足したアニメーションが出来たらAlembic形式で出力します。
特に設定は必要ないので、ファイル名だけ指定して出力しましょう。
Dem Bonesで変換する
GitHubからDem Bonesをダウンロードしたら bin フォルダの中に DemBones.exe があることを確認します。
そしてコンソールウィンドウを出し (PowerShellでOKですし、batファイルを作ってもいい)、次のようにしてDem Bonesを実行します。
DemBones.exe -a="Alembic File.abc" -i="Base Mesh.fbx" -o="Skeletal Mesh.fbx" -b=n
オプションの指定方法は -x=~
で、ファイルパスを示す場合は ""
で囲みます。
-a
オプションは必須で、ブレンドシェイプアニメーションを施したAlembicファイルパスを指定します。
-i
オプションも必須で、こちらがベースポーズを指定するFBXファイルとなります。
-o
オプションも必須で、こちらがボーンを組み込んだ出力FBXファイルです。
-b
オプションはボーンの組み込みが行われていないベースFBXを指定する場合は必須となり、ボーン数を指定します。
ベースポーズのFBXには予めボーンを仕込んでおくことも可能なようですが、これは1つのメッシュに複数のブレンドシェイプアニメーションを施す場合に使用するのではないかと思われます。
とりあえずこれでデータに問題がなければ-o
オプションで指定したFBXファイルが出力されるので、Blenderで読み込んでみましょう。
Import設定でScaleを100倍するのを忘れずに。
こんな感じにボーンが埋め込まれてモーションしたら成功です。
出力時のScaleを設定しておかないと、モーションしたらメッシュがクシャッとなってしまうので注意しましょう。
というわけで、簡単なDem Bonesの使い方でした。